46歳、Excelで見えた「お金が残らない未来」

お金と制度

ある時期から、
お小遣いの日がまちまちになり始めた。

やはり、決まった日に入ってきてくれないと困る。

「最近、お小遣い遅くない?」

「あ~……うん。ごめん。」

家計は妻に任せていた。
というより、ほぼ全投げだった。

今思えば、
この頃から何かが少しずつズレ始めていたのかもしれない。

それでも、
自分が動き出すトリガーにはならなかった。

数年が過ぎ、
新型コロナウイルスが流行し始めた。

相変わらず、お小遣いが遅れる日々。
もらえないわけではないが、
「何かあった? 大丈夫?」
と聞かずにはいられなかった。

ちょうどその頃、
長女の大学受験が重なった。

塾、短期講習、受験費用。
妻は、いつの間にかやりくりに苦戦していた。

原因は何かと聞かれれば、
正直はっきりした答えは思い浮かばない。
おそらく、生活水準の問題だったのだと思う。

受験は、想像以上にお金がかかる。

ある日、妻から
「受験費用で、少しまとまったお金が必要なんだけど」
と相談された。

思わず、
「コロナでもらった給付金はどうなった?」
と聞いてしまった。

「そんなの、もう使っちゃったよ。」

その言葉に、
「ちゃんとやってよね」
と言ってしまった自分がいた。

すると、
妻から意外な一言が返ってきた。

「もう、家計を見る自信がない。」

その時点での自分は、
お小遣いの範囲でやりくりもできていたし、
昔の自分とは違うという自負もあった。

だから、
「じゃあ俺が見るから大丈夫」
と軽く引き受けた。

Excelを開き、
家計のキャッシュフローを見直した。

そこで初めて、
現状を理解した。

……意外に、ギリギリで回っている。

思わず目を疑ったが、
数字は現実だった。

「意外に残らないもんだな」

そう思いながら、
「まあ、保険もあるし大丈夫だろう」
と自分に言い聞かせた。

でもこの時、
確かに小さな違和感が生まれていた。

それから毎日、
Excelとのにらみ合いが続いた。

けれど、
はっきりした解決策は見えないまま、
時間だけが過ぎていった。

そして、
ようやく気づいた。

――このままじゃ、まずいんじゃないか?

気づけば、
48歳になろうとしていた。

老後なんて、
まだ先の話だと思っていた。

でも、
Excelの中の数字は、
確実に「その先」を指し始めていた。

この回は、
自分にとって
老後編への助走だったのだと思う。

まだ走り出してはいない。
でも、
立ち止まってはいられない場所に
立ってしまったことだけは、
はっきりと分かった。

未完成。だから進む。
次はこの違和感の正体と向き合う番だ。

次に読む:老後を意識した瞬間と、投資という現実的な希望

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